中型(浴衣)
 浴衣は「湯帷子(ゆかたびら)」という湯あがり着的な意味合いからはじまったといわれています。木綿が麻にかわって普及してきた江戸時代中期頃から明治期頃までの浴衣は、藍の絞り染や型染によって染められた単色のものが主流でした。
 
中型で染められた浴衣をご紹介致します。



白地木綿扇に浦島物語文浴衣(全体拡大画像)

江戸時代後期 134cm×124cm
 
 この浴衣のように地の白場に細かな点や線を染めるためには、一枚の型紙に彫ることは不可能なことであり、二枚以上の型紙に彫り分ける作業が必要となります。
 非常に細かい線で緻密に描かれた玉手箱、亀、翁、竿は浦島物語をあらわしている。また、二種類の扇の一方の中には絞りの味わいをそのまま型染で表現した鳴海紺型が用いられています。



江戸時代後期 144cm×126cm

 風合いのよい木綿の藍地に木目の模様を白揚げであらわしている。このような細かい模様を彫り透かした型紙を用いる連続模様は、型のおくりの難しさや糊が目詰まりしやすいという難点がある。
 何気のないデザインではありますが、少しの型のズレもなく柄が連続されている型付けの確かさから、当時の職人さんの技量の高さが伺えます。


江戸時代後期 118cm×106cm

 
 前々出のものと同じく地白の浴衣である。もともとは大人用であったものを子供用に仕立て直したようです。時代のある子供用の浴衣は、現存する例が少なく珍しいものといえます。
 
菊亀甲と牡丹を縦縞に仕切った中に交互に配し、鳴海紺型であらわした色紙を全面に散らしている。これも何枚もの型紙を必要とするレベルの高い型染です。



江戸時代後期 133cm×120cm
 
 顧客にサンプルとして見せるための染見本。「小紋」では小紋の染見本の反物をご紹介しておりますが、これは浴衣の染見本から仕立てたものです。
 
本来ならば選ばれた同一柄で仕立てるはずのものが、さまざまな柄の違った藍染の中形や小紋の連続文様でできているのが大変面白いものになっています。

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