小袖 その3
御殿柄の小袖2領をご紹介いたします。


白地綸子花束流水文様振袖(全体拡大画像)

江戸時代後期 154cm×125cm
 
 白綸子地に梅、葵、牡丹、菊の花束を衣裳全体に大きく散らし、その隙間を流水模様で埋めている。「御殿柄」とよばれる武家女性の形式化した意匠形式の一つである。
 刺繍と摺り匹田で加飾されたこの振袖は、それぞれの模様が密に詰まっており見ごたえがある。また、当初は振袖であったものでも振り切られ、袖がつめられるものも多い中、このように長い袖のまま現存していることは大変貴重なものであるともいえる。



江戸時代後期 173cm×125.5cm

 もうひとつの「御殿柄」である御所解文様は、武家社会の教養と結びついて生まれた文様である。なのに御所解と呼ばれる所以は、その文様の内容が公家(王朝)風であったことに由来する。
 この1領は、松、桜、菊、芦の風景の中に源氏物語の表現には欠かせない御所車を。また御簾に琴の組み合わせは、宇治の山荘で月光を浴びて琴と琵琶を奏でる二人の姫君を薫が垣間みる「橋姫」を暗示しているのであろう。
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